大阪 開港の地
おおさかかいこうのち
大阪地下鉄中央線と千日前線が交差する阿波座駅から西に500m。安治川に面して大阪税関富島出張所がある。税関の事務所裏手に『大阪開港の地』と刻まれた 石碑が建っている。
江戸時代末期の“安政5ヶ国条約”により 神奈川・函館・長崎・兵庫・新潟の5カ所が 開港された。当初大阪は東京とともに“開市”されたが開港場に指定されていなかった。明治元年(1868) になって大阪は開港されて川口に大阪港が造られ, 川口付近には 外国人居留地が設けられた。
しかし川口は河口の港であるため水深が浅くて大型船が入れず, 近くの神戸港が多く利用されたこともあり, 貿易港としては発展せず衰退していった。明治時代後半になって, ここより沖合の天保山に近代的港湾が造られ移転した。
川口居留地は 一時期 経済・行政の中心となり近代化の先端にあったが, 明治32年(1899) に居留地制度が廃止された後は中国人街となり, それも太平洋戦争により解体し、川口は昔の面影を完全に失った。
大阪税関富島出張所は、平成20年(2008) 6月で廃止された。出張所裏の碑は川の脇にまとめられた。
写真
碑文
大阪開港の地
長い鎖国の後,諸外国への玄関口として明治2年7月15日 この地を開港場とした。世界とつなが る今日の大阪港繁栄の端緒となる