老人クラブ 発祥の地
ろうじんくらぶはっしょうのち
秩父鉄道 秩父駅から西に10km。
老人クラブ(老人会・敬老会)は地域に居住する高齢者の福祉を目的とした組織で,多くは町内会などの組織の下で,老人の福祉活動を行っている。
戦後まもない昭和20年代に.荒廃した社会の中で家族制度の変革などが進む中で,高齢者自らが相集い,新たな役割を求めて誕生した自主組織で,昭和21年(1946) に千葉県八日市場町(当時)に結成されたのが最初の老人クラブと言われる。その後全国各地に類似の老人クラブが創られていき,昭和38年(1963) に老人福祉法が制定されて高齢者の社会参加・生きがい対策の推進組織として位置づけされるに至った。
小鹿野町は埼玉県の西北部に位置して,東は秩父市と接し,西は群馬県に隣接している。かつては江戸と信州を結ぶ重要な国道299号 武州街道の宿場町として栄え,埼玉県では川越に次いで2番目に町制を施行した。江戸との交流が盛んであったことから,独自の文化が育まれ,祭りや伝統芸能が今に引き継がれている。特に“小鹿野歌舞伎”は200年を越える伝統をもち,「歌舞伎のまち・おがの」としても知られている。
人口は13,000人(平成25年(2013))で 65歳以上の高齢化率は30%だが,山間の小集落は高い高齢化率を示しており,“限界集落”と言われる地区も多い。鉄道がなく山あいの町であるにもかかわらず,後期高齢者の一人当たりの医療費は埼玉県内で一番少ない元気な町である。小鹿野町の健康づくりは,昭和28年(1958) に町立病院を開設したことに始まる。当時小さな町として先駆的とも言える取組みで,50年以上が経過した現在でも,地域医療の中核病院として根付いており,小鹿野町が取り組む 保健・医療・福祉が一体となって機能する「地域包括ケアシステム」の重要な一翼を担っている。
このような環境の中で,昭和27年(1952) の合併前の旧
小鹿野町は日本で最初ではないが,埼玉県で最初の老人クラブの発祥の地である。この発祥碑は老人クラブ20周年を記念して,昭和47年(1972) に建立された。
以前は、役場の向かいのJA直売所前と掲載していたが、誤りだったので訂正した(2017.07)
写真
碑文
老人クラブ発祥の地
昭和二十七年四月二十九日 全国に先だち 旧長者村地域の人びとにより 長若としより倶楽部が結成され その後町村合併による小鹿野町全域において統合の老人クラブと旧町村別支部が結成され つづいて国の制定による老人福祉法に基づき単位老人クラブ十八とその連合会があらためて結成され もって現在の盛況を見るにいたる よってここに老人倶楽部発祥二十周年を記念し この碑を建て後世に伝える
昭和四十七年四月
小鹿野町
小鹿野町老人クラブ連合会
小鹿野町各老人クラブ二老守屋喜元書
富田石材店謹刻