東京 市外電話局 誕生の地
とうきょうしがいでんわきょくたんじょうのち
東京の地下鉄で 多数の線が集中して便利なはずの 大手町駅。無数にある出口の一つ A5を出ると, 逓信博物館前に出る。博物館の向い側に 22階建ての アーバンネット大手町ビル(千代田区大手町2丁目2-2)があり, その南西隅のピロティ部分に 赤い三角形のフレームを組み合わせた塔のような モニュメントがあり, その基部に「東京市外電話局誕生の地」と書かれている。また 基部の反対面には, 東京市外電話局と思われる 建物の外観図が描かれている。
モニュメントが建っている場所は, ほとんど人が通らない 死角のような暗い場所で, おまけに 遠目には何かわけのわからない金属の柱があるとしか思えず, これが「誕生の地」の碑であると気付くのには 何度も何度もここを通らなければならなかった。人の目を避けるような場所にモニュメントを建てるセンスを感じる。
日本で最初の市外電話は, 明治22年(1889) から 東京~熱海間で行われた〔市外電話創始の地(熱海市) 参照〕。この時は 双方に1台ずつの電話機があるだけの 直通専用電話での試験通話のようなもので, 本格的に 市外電話の交換が行われたのは 明治32年(1899) の東京~大阪間からとされる。
なお, 碑文にある「辰の口」とは, 江戸城の辰の口(和田倉門外)を指し, 現在は「和田倉噴水公園」となっている。
逓信博物館は平成25年(2013) 夏に閉館し、後に大手町プレイスに建て替えられた。
写真
碑文
東京市外電話局誕生の地
明治23年12月16日辰の口に東京電話交換局が 開設され, 同25年7月7日当地に移転した。
以後, 東京市外電話局, 東京電話番号案内局として 日本の電話交換業務の中心的役割を果たし, 昭和62年8月 建物再開発に伴い, その輝かしい歴史の幕を閉じた。平成2年12月6日
NTT東京情報案内センタ
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