良い歯の日 発祥記念碑
よいはのひはっしょうのち
総武線の両国駅から北東に300m。両国中学校の正門脇の植え込みの中に記念碑が建っている。
この石碑は 昭和43年(1968) に両国駅近くの両国中学校の校門前に設置されたが, 両国中学校の工事のため 一時的に 旧 曳舟中学校の校門前に移された。再開発後に予定通り元の位置に戻されたものである。 ただし,両国中学校の正門の位置が変わったため,元の位置から少し離れた場所になっているようだ。
石碑の裏にガムテープで貼り付けられた「平成19年度中に元の場所に戻される予定」という貼り紙が,移転後もそのまま残っているのはたんなる
「良い歯の日」の経緯については, 碑文に詳しく書かれている通り, 大正14年(1925) に本所歯科医師会が口腔衛生の啓蒙のために行った児童の歯科検診と「優良歯牙所持者表彰」に始まった。このような活動は, 日本国内はもとより世界的にも前例のない画期的なものだったという。
これがきっかけで昭和3年(1928) から全国的に, 6月4日を「虫歯予防デー」と制定したが, 戦時中は一時中断していた。 昭和33年(1958), 毎年6月4日~10日の「歯の衛生週間」として復活, 虫歯予防の運動が行われている。
ちなみに,両国駅北側の 両国国技館と江戸東京博物館・旧安田庭園・横網町公園に囲まれた一帯は, 広々とした中に両国中学校・NTTドコモビル・第一ホテル などがある。この中に遊歩道風の歩道が造られており(私道のためか 地図には描かれていない), 気持ちのいい空間となっている。
写真
碑文
良い歯の日発祥記念碑
歯科界の黎明期に 本所歯科医師会は 入江義次 五十嵐庭治君等の提唱で 口腔衛生普及運動を起した その始は奥村鶴吉 加藤清治 川上為次郎 岡本清纓 高津武の諸先生に依頼して 当時の本所高等小学校(現墨田区立両国中学校) で区内学童の口腔診査を実施した 会員の積極的活動とライオン歯磨の後援によってこの運動は 日本歯科界最初の企画として当時の新聞に報道された この時学童数名を選び 表彰状と「良い歯の日」と記したメダルを贈った 大正十四年(1925年)十一月七日のことである 本会の唱導は多くの反響をよび 後年「ムシ歯予防デー」として発展するところとなった 本会発足五十周年に当り国民保健向上の一齣であるこのことが 永く後世に伝わるように この碑を記念事業として建てるものである
昭和四十三年(1968年)
十月十日建之本所歯科医師会
記念碑設立委員(氏名省略)