秩父 自由民権運動 発祥之地

ちちぶじゆうみんけんうんどうはっしょうのち

秩父鉄道 皆野みなの駅から西へ約6.5km。城峰山へ至る途中、県道284号を秩父34ヵ所巡り34番札所 水潜寺を過ぎて沢辺さわべ集落内で道幅が狭くなると、県道をはずれて日野沢川を跨ぐ小さな橋がある。重木橋の先にはすぐ澤邊公会堂があり、その向かい側に石碑が立つ。

この地は、思想的な大きな影響力を持った村上泰治や中庭蘭渓らを輩出した重木しげき耕地の入口で、ずっと上っていくと中庭蘭渓の墓などがある。

皆野町下日野沢は、秩父自由民権運動の発祥の地の一つであり、その歴史的意義は、この地で育まれた思想や運動の経緯に深く根ざしている。この地を拠点に活動した人物たち、特に村上泰治の背景には、外部からもたらされた思想の影響があった。

中庭蘭渓は、村上泰治の師であり、泰治は幼い頃から蘭溪の下で勉学に励んでいた。蘭溪は、泰治に自由党の思想や、これからの日本のあり方について教えを説いた。泰治が若くして自由党に入党し、幹部として頭角を現した背景には、蘭溪から受けた教育があった。彼の存在は、皆野町下日野沢が単なる農村ではなく、若者たちが新しい思想を学び、社会変革を志す知的拠点でもあったことを物語っている。

井上正鐵まさかねは、江戸時代後期の神道家で、神道禊教の開祖である。彼の活動の舞台は主に江戸であり、重木耕地で活動した記録は確認されていない。秩父自由民権運動とは直接関係ないが、中庭・井上の思想的根源となっている。

写真

  • 秩父自由民権運動発祥之地 坂を上がると重木耕地
  • 秩父自由民権運動発祥之地
  • 秩父自由民権運動発祥之地
  • 秩父自由民権運動発祥之地〜重木橋 向こうは県道284

碑文

井上正鐵 中庭蘭溪 遺蹟入口 郷土史蹟保存会

秩父自由民権運動発祥之地

昭和五十三年四月吉日 建之 禊教管長多治比安儀書

沢側の面にはとくになにも刻まれていないようだった

地図

地図

皆野町下日野沢 付近 [ストリートビュー]