大子地方 民謡 発祥の地
だいごちほうみんようはっしょうのち
水郡線 袋田駅から東北東に3km。袋田温泉から滝川(久慈川支流)の南側を川沿いに東に進むと,途中に「大子地方民謡発祥の地」と書かれた石碑が建っている。
碑には「お茶もみ唄」「草刈唄」という大子地方の民謡の歌詞が書かれ,この地が発祥の地であることを示している。大子地方にはこれ以外にも「苗取唄」「田植唄」「馬子唄」などの民謡が唄われているようだが,この碑の「民謡」は2つの唄に限られているのだろうか。碑の建立に関する資料が見つからないため,残念ながら どうしてこの場所が“発祥”なのか,どういう経緯で碑が建立されることになったのかなど,背景は全く分らない。
蛇足だが,袋田の滝を正面から見るためには,滝川の北側の“観瀑台”から見るのが一般的だが,発祥碑のあるこの場所は川の南側で,少し東に行くと袋田の滝の上(裏側)にあたり,別のアングルから滝を見ることができる。
写真
碑文
大子地方民謡発祥の地
お茶もみ唄
〽ハァ
上り下りのエーヨー
保内の郷は
ほんに湯の町
ホントお茶の里
ハァ
よれて来い
よれて来い草刈唄
〽ハー
こころ小生瀬
身は袋田の
落ちる涙はヨオ
滝の水
小生瀬=こなませ
お茶もみ唄は焙炉(ほいろ)の上で蒸した茶の葉を手でもみながら唄われたもの
草刈唄は田園情緒豊かな当地方を中心に農民達の間で朝草刈のとき唄われたものである
共にその起原は遠く徳川末期の頃に始まると言われている
この貴重な民俗芸能を後世に遺すため全国植樹祭を記念し建碑する
昭和五十一年五月
建碑提唱者
茨城県民謡民舞連合会長 川崎孫兵衛
常陸太田市民謡民舞連合会長 生田目菊十
常陸太田市議会議員 宮田秀六郎(以下芳名略)