日本最初の 缶詰製造の地
にっぽんさいしょのかんづめせいぞうのち
長崎電軌 諏訪神社前停留所の西 300m。長崎公園()の南に隣接して 日本銀行長崎支店がある。日銀から公園に入る入口の横に石碑が建っている。
缶詰は 1804年にフランスにおいて開発された。ナポレオンが食品の長期保存方法を懸賞募集した結果 瓶詰が発明され, 江戸時代 文化7年(1810) にイギリスにおいて金属容器が使用されるようになった。
日本では, 長崎の外国語学校「広運館」のフランス人教師が本国から持ち込んだ牛肉の缶詰を食べていたのを, 広運館に勤務していた松田雅典が見て驚き,製法を学んで缶詰の試作を行ったのが始まりとされる。最初に作った缶詰は イワシの油漬け。明治3年(1871) のことだったという。
その後 この地に「長崎県缶詰試験場」を設立して製造を始め,製品は外国に輸出されるようになり, また 日清戦争では兵士の食料としても利用された。
写真
碑文
日本最初の罐詰製造の地
フランス人レオン・ジュリーの指導を受けた松田雅典が明治10年(1877年) ここに日本最初の罐詰製造工場をつくった。
寄贈 長崎北ロータリークラブ建之
昭和42年9月
日本 最初 の缶詰 製造 の地 跡
Site of Japan's First Cannery (opened in 1879)明治12年(1879)長崎公園で開催された長崎博覧会の終了後, 県はこの地に缶詰試験所を設置, 勧業御用係に松田雅典を任命した。
松田雅典は馬田永成の子で, 金谷町乙名松田家を相続, 明治2年(1869), 在学中の広運館で教師レオン・ジュリーから缶詰製造法を修得, 以後その研究開発を行った。同17年(1884), 缶詰試験所の払下げを受け, 松田缶詰所を開業した。同30年(1897), 同缶詰所が夫婦川町に移転した後は, 跡地に長崎商品陳列所(長崎市立博物館の前身)が開設された。