難波葱 発祥の地
なんばねぎはっしょうのち
難波駅の南方、難波八阪神社(浪速区元町2丁目9-1)拝殿と獅子殿の間あたりに、令和2年(2020)2月に石碑が除幕となった。
難波葱は、現在の大阪市中央区難波周辺を発祥とする伝統野菜である。江戸時代にはこの地域一帯で盛んに栽培され、特に現在の南海難波駅付近には広大な葱畑が広がっり、その光景は「葱の海」と称されるほどであった。
難波の地名を冠したこの葱は、市中において広く親しまれていた。当時から難波は交通と商業の要所であり、発展する大阪の食文化の中で難波葱は重要な食材となった。鴨肉と葱を用いた料理を「鴨なんば」と呼ぶのは、難波葱に由来するとされる。
また、難波葱が京都の九条葱や関東の千住葱のルーツであるとする伝承もあり、これが事実であれば、難波葱は全国の葱栽培の源流として極めて重要な存在であったことになる。明治以降、都市化や他品種の普及により一時姿を消したが、近年「なにわの伝統野菜」として再評価され、復活を遂げつつある。
写真
碑文
難波葱
発祥の地
利三This area is the birthplace of Namba Negi
難波村の葱栽培は享保十年(一七二五)に初見され 明治初年には五十町歩あり 難波一帯は広大な葱畑であった
難波葱は葉の繊維が柔らかく 強いぬめりと香り 濃厚な甘味が特徴で 九条葱 千住葱などのルーツと伝わっており 大変古い葱といえる
平成二十九年(二〇一七)「なにわの伝統野菜」に認証された難波葱の会
2020年1月吉日 建立
石碑建立寄付者御芳名
(略)