沖縄県茶 発祥の地
おきなわけんちゃはっしょうのち
沖縄道宜野座インターから西に2Km。漢那ダム(かんな湖)の東側に湖畔公園がある。公園の湖を見下ろす小高い場所に「沖縄県茶発祥の地」と刻まれた石碑と、その隣に説明版が建っている。
沖縄は地理的に中国大陸に近いため、早い時期から喫茶の文化が広まっていたが、茶樹の栽培は意外に遅く、江戸時代初期に薩摩からもたらされたものであった。『琉球国由来記』によれば、沖縄におけるお茶の発祥は元和9年(1623)に金武王子朝貞が茶の種子を薩摩から持ち帰り、漢那村に栽植したことに始まるという。栽培された場所は現在はかんな湖の底に沈んでおり、湖を見下ろす公園の一角に発祥碑が建てられている。
沖縄における茶の生産量は消費量に比べて少なく、明治時代に至るまで台湾・中国からの茶の輸入が行われ、昭和初期になって茶の栽培が奨励されるまで続いた。
写真
碑文
沖縄県茶発祥之地
我国 の飲 みむん百薬 に優 て朝夕 注 ぢ召 しょり自分 為 になゆさ
琉球 のお茶 発祥地
琉球 における茶 の栽培 は、1627年 に金武 王子 朝貞 (尚豊王 の実弟 、尚盛 )が薩摩 から種子 を導入 し、金武 間切 漢那邑 (現 ・宜野座村 字 漢那 )に栽培 したのが始 まりとされています。
この事 は、次 の通 り、1713年に琉球王府 が編纂 した「琉球国 由来記 」に記載 されています。当国、飲茶事、従上古有之歟。天啓七年丁卯、尚氏金武王子朝貞、茶種従薩州帯来、領内金武郡漢那邑、令植種也。此植茶始也。
琉球王府 時代 、漢那邑 の何処 で茶 が栽培 されていたのか詳細 は不明 ですが、古老 達 は、福地原内 の俗称 である「スンドゥンチ」、「ナゴバル」、「マタグチ」ではなかったかと話しています(現 ・漢那 ダム貯水池 内 )。
また、1949年 (昭和 24年 )、茶 の栽培 が沖縄 の気候風土 に適 し、栽培用地 に恵 まれている事 や茶 が日常 の必需品 として需要 があったことなどから、戦災復興 や自立経済 の観点 で漢那 茶業組合 が結成 されました。
しかし、生産量 が少 なかった為 、消費者 に安定供給 できず、また、安価 な輸入茶 が流通 する等 、様々 な理由 で経営不振 となり、茶園 および製茶工場 は放棄 されました。
その後 、1985年 (昭和 60年 )、新 たに宜野座 茶業組合 が結成 され、近代的 な大型 製茶工場 を設立 し、宜野座村 の茶業振興 が推進 されています。2012年3月 宜野座村教育委員会