ロケット 発祥の地

ろけっとはっしょうのち

秩父鉄道 秩父駅から北西へ約15km。小鹿野おがの町の国道299号線と県道37号線 皆野両神荒川線の交差点近くの道案内表示に、道の駅龍勢会館の説明として書かれている。この場所が発祥地ということではなく、次の信号を右折して6.5km進むと発祥の地という道案内。

吉田町(現在は秩父市)には、古くから手作りロケット「龍勢」を打ち上げる祭があって、会館には龍勢の製造過程から打ち上げまでの詳細な資料を公開展示しているほか、大型のスクリーンを通して迫力ある龍勢祭りの様子を見ることができる。

龍勢祭りは会館からほど近い秩父市下吉田にあるむく神社の例大祭として行われる行事で、毎年10月の第2日曜日に開かれる。ロケットには27の流派があり、毎年30数本が打ち上げられ、飛距離や飛翔の美しさなどを競い合うコンテストの形をとっている。

ロケットは 直径10cmの松の筒に火薬を詰めたものを、長さ15mあまりの青竹にくくり付け、これを高さ20mぐらいの櫓に掛けて点火すると、爆音とともに 300~500mも舞上がる。その姿が昇天する龍の姿に似ていることから「龍勢」と名づけられたという。龍勢には仕掛けがあって、上空で色煙幕や花火など を放出し、パラシュートで落ちていくものもある。

龍勢については、もともと秘伝として受け継がれてきたため詳しい記録が残っておらず、祭りがいつから始まったのかについても諸説があって確かなことはわからない。

  • 日本武尊やまとたけるのみことが持つ鉾が日光をうけて光った様を表して、祭日に氏子が焚き火の燃えさしを高く投げたのが始まりとなった。
  • 戦国時代の狼煙のろしから土地の農民が考案し、改良したもの。

などの説があるという。

「龍勢」は太平洋戦争中に中断し、戦後も何度か復活・中断を繰り返したが、“龍勢保存会”による活動などにより、昭和47年(1972) 以降再開された。埼玉県の有形文化財にも指定され、“埼玉の奇祭”として毎年多くの観光客を集めて賑わう有名な行事になった。

なお 国内ではここ秩父の他にも、静岡市草薙、滋賀県米原など数ヶ所に同様なロケット花火の習慣があり、またタイなど東南アジアにも似た形式の行事が伝えられている。

【リンク】龍勢会館吉田龍勢保存会

写真

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碑文

ロケット発祥の地

道の駅 龍勢会館

地図

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