「サワー」発祥の地
さわーはっしょうのち
山手線 五反田駅(東口)から 80m。ホテル東急ステイの裏側に“もつ焼 ばん”という店がある。店先には「サワー発祥の地」と書かれた暖簾が掛かっていて, 暖簾はコレクション外なのだが、店に入ると すぐ前のカウンタ上にも 同じデザインで 「サワー発祥の地」と書かれた大きな看板がかかっている。
一般に「サワー」とは, ウィスキーやジンなどの蒸留酒に, レモンジュースなどを加えて 酸味をもたせたカクテルのことを指す。
かつて 中目黒に 創業昭和33年(1958) 「もつ焼き ばん0」という店があった。 “焼酎の炭酸割り”に何かいいネーミングはないかと, 当時の店主と常連客が相談して 「サワー」というカクテル名をそのまま名前にすることにした。1960年代の初めごろのこと。これによって, 焼酎の「サワー」は この中目黒『ばん』が発祥の地とされる。
その後, 中目黒『ばん』は 地域再開発のため 閉店となり, 平成17年(2005) 創業者の弟が 祐天寺(目黒区)で 同名の店を復活させた。さらに平成18年(2006), 姉妹店として 五反田『ばん』が開店となり, 「サワー発祥の地」の名前を引き継ぎ看板を店内に掲げた。つまり, 本当の「サワー」の発祥の地は 目黒 中目黒であって, 五反田の店は「発祥の地」という「称号」を引き継いだにすぎないが、「発祥の地の表示」のコレクションなので、当地をコレクションする。
「サワー」発祥の店
令和元年(2019) に訪問したら、ファサードの暖簾的オブジェは木製の看板に置き換わり【「サワー」発祥の店】と記されていた。サワーは最早「ばん」発祥というのが定説だが、五反田に来る前の中目黒時代であるので、より正しい表記となったと言える。
また、今までの【「サワー」発祥の地】看板は変わらずカウンター上に鎮座しているが、焼き台の真上であるので積年の油により、画像で見るよりも真っ黒になっていた。こういうものを使って洗剤やお掃除屋さんがデモンストレーションしたら面白いのだがなと思う。
- 中
- レモン
- サワー
これが別々に注文できて好きな割合のサワーを飲めるというところもとてもいいと思う。
写真
碑文
「サワー」発祥の地
もつ焼き ばん
創業昭和33年