ワカメ養殖発祥の地
わかめようしょくはっしょうのち
石巻線 女川駅から南東へ2km、小乗漁港の東北大学農学部附属海洋生物資源教育研究センター(牡鹿郡女川町小乗浜向15)近くに石版が建つ。従前は少しずれた場所にあったようだが、津波被害で転倒し、ひとまずという感じに当地に再建されたようだ。
写真
碑文
ワカメ養殖発祥の地 顕彰碑
宮城県女川町小乗浜
顕彰碑 碑文
産業としてのワカメ養殖の歴史は、昭和二十八年(一九五三)、当地女川町小乗浜において大槻洋四郞氏(明治三十四年鹿島台村生まれ)が行なった養殖法の成功で幕を開けた。
大槻氏は小乗浜をワカメ養殖の適地として選び、人工採苗を始めた。船上に設置した水槽での種付け後、種苗枠を水平式筏に垂下し、海中管理を行なって健全な種苗の育成を図り、養殖生産の効率化に努めた。
昭和三十二年には地区漁業者を含め筏七十台を敷設し、本格的な養殖に移行。その後県内外に普及し、大きな産業に発展した。
ワカメ養殖の急速な普及の陰には、地区漁業者の生産努力と、小乗浜養殖研究会の大きな貢献があった。会員はワカメの種苗生産や火力乾燥庫の改良の成果を全国大会で発表し水産庁長官から表彰された。また、県内各地の研究団体及び漁業者に対する現地指導や支援を精力的に行なった。
このワカメ養殖の普及により、未開発海域に新たな生産の場が開拓された。さらに、沿岸漁業の形態にも大きな変化をもたらした。
ここに先人の功労に対し、改めて敬意と感謝を捧げるとともに、この歴史的な事実を後世に伝え、また新たな養殖漁業を生みだす発想の糧としていくために、この顕彰碑を建立するものである。平成十五年一月建立
ワカメ養殖発祥の地顕彰碑建立実行委員会
会長酒井誠一
女川町漁業協同組合小乗浜支部
女川町小乗区
題字女川町長