日本最初の電気街灯 建設の地

にっぽんさいしょのでんきがいとうけんせつのち

東京メトロ有楽町線・銀座一丁目駅の南東 100m。 カルティエ銀座2丁目店の前の歩道上に, 1本の街灯が建っている。左右に一定の間隔で 建っている通常の街灯よりも一段と背が高く, スリムな形である。
この街灯の柱の側面に「日本最初の電気街灯建設の地」というプレートが張り付けられている。

ここは, 1882(明治15)年に, 電気を照明用に使った初めての街灯が建てられた場所である。

日本で初めての街灯は, 明治5年(1872) 横浜に灯された ガス灯 だった。 東京でも 芝浜崎町にガス工場を建設し, 銀座までガス管を敷設して, 明治7年(1874) に銀座~京橋間に85本のガス灯による街灯が点灯された。また 同じ年には 日本橋馬喰町付近に 石油ランプの街灯が灯されている。

そして明治15年(1882) になると 東京電灯会社が, 銀座のこの地にアーク灯による電気街灯を初めて点灯させた。アーク灯の光は ガス灯や石油ランプに比べると はるかに明るく, 「まるで昼間のようだ」と 毎晩大勢の人が 見物に集まってきたと伝えられる。

この時にはまだ発電所というものはなく, 現場でアメリカ製の発電機を用いて 直流110Vを供給したとされる。現代のセンスで表現すれば“可搬型小型発電機” である。東京に初めて発電所が設けられたのは明治20年(1887) の「茅場町電燈局」 のことになる。

現在 銀座~日本橋エリアには, 中央区によって「歴史紹介看板」という説明板が30ヶ所以上 設置されているが, その一つ「ガス灯とアーク灯」が この街灯のすぐ近くに置かれている。

写真

  • ガス灯とアーク灯 (歴史紹介看板)
  • 日本最初の電気街灯建設の地
  • 日本最初の電気街灯建設の地
  • 日本最初の電気街灯

碑文

明治十五年十一月一日(1882年)

日本最初の電気街灯建設の地

昭和六十一年十月十五日建之

銀座通連合会
照明学会
関東電気協会
東京電力株式会社

華開く銀座の新時代

ガス灯とアーク灯

銀座を照らした文明開化の光

1874(明治7)年, 銀座煉瓦街にガス灯がともされ ました。1882(明治15)年11月1日にはアメリカ製の 発電機を使った二千燭光のアーク灯が点灯され, 銀座には多くの見物人が押しかけました。
行灯やろうそくの明かりしかなかった江戸の町は, 夜になると真っ暗だったことでしょう。世が明治に 移り, ガスや電気といった新しいエネルギーは, 人々の 夜をがらりと変えました。
銀座はこうした文明開化の光を, 真っ先に体験できる 最先端の街でした。

地図

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中央区銀座2丁目 付近 [ストリートビュー]