伝染病研究所 発祥の地
でんせんびょうけんきゅうしょはっしょうのち
平成30年(2018) 5月に竣工した住友不動産御成門タワー入口近く、喫煙スペースを目隠しするような位置にある植栽の南側に石碑と説明板が建てられている。もともとここにあった東京パナソニックビル1号館前にあったものが、工事によって一時撤去され、近い位置に再設置されたもの。
明治になっても 公衆衛生水準は上がらず, 国外からはコレラなどの伝染病がたびたび持ち込まれ 国内に大流行を引き起こしていた。ドイツ留学から帰国した北里柴三郎はこの事態を憂い, 「大日本私立衛生会附属傳染病研究所」を設立した。この研究所では, 北里柴三郎によるペスト菌の発見, 破傷風菌の純粋培養, ジフテリアの血清開発や, 志賀潔による赤痢菌の発見, 野口英世の輩出など, 伝染病撲滅に多大の貢献をし, 多くの学術的功績を残した。
大正3年(1914) には 伝染病研究所が文部省に移管されることとなったが, これに反対する北里ら職員の多くが辞職して私立北里研究所を設立した。その後 幾度かの変遷を経て東京大学医科学研究所と組織・名称が変わり, 現在も日本における先駆的な生命科学の研究所として活動している。
説明板は、見えにくい碑陰を補完するものらしく、おそらく碑陰と同文と思われる。
写真
碑文
傳染病研究所
発祥の地北里柴三郎は福沢諭吉はじめ民間の援助を受け明治二十五年十一月三十日この地に開設された大日本私立衛生会附属伝染病研究所において細菌学の研究を開始し伝染病の撲滅に多大の貢献をした 爾来伝染病研究所は幾度かの変遷を経て現在に至っている 創立百年にあたりゆかりの地に碑を建て先人の偉業を顕彰するものである
平成四年十一月吉日
東京大学医科学研究所
社団法人 北里研究所