「亀ノ尾」発祥の町
かめのおはっしょうのち
羽越本線が陸羽西線と分岐する余目駅前に、町をアピールする広告塔が建つ。
コシヒカリをはじめとする多くのブランド米の祖先とされる「亀ノ尾」は、山形県庄内町(旧大和村、現在の庄内町小出新田)がその発祥の地である。
明治26年(1893) 、地元の篤農家、阿部亀治が、熊谷神社付近の水田で、冷害で周りの稲が倒れる中、しっかりと立っている3本の稲穂を発見したのが始まりとされる。この稲穂を自宅に持ち帰り、長い年月をかけて選抜・育成を重ねた結果、冷害に強く、食味に優れた品種「亀ノ尾」が誕生した。
阿部亀治は、当時の最新技術である「乾田馬耕」をいち早く導入するなど、熱心な米作りを行っていた人物としても知られる。彼の人柄も相まって、亀ノ尾は山形県内だけでなく、東北、北陸地方へと広がり、大正時代には「日本三大水稲品種」の一つに数えられるほど全国に普及した。さらに朝鮮半島や台湾にまでその栽培が及んだという。
現在では、栽培の難しさから食用米としての流通は少ないものの、その優れた遺伝子はコシヒカリ、ササニシキ、つや姫など、日本を代表する米の品種に受け継がれている。また、酒米としての評価が高く、全国の酒蔵で高級酒の原料米として利用され、幻の酒米として再び注目を集めている。庄内町には、亀ノ尾発祥の地を記念する石碑や資料館があり、阿部亀治の功績が今も語り継がれている。
写真
碑文
歓迎
庄内町月山山頂の町
コシヒカリの祖先
「亀ノ尾」発祥の町「平成の名水百選」立谷沢川
「新エネ百選」風力発電 魁の町平成2年12月建立
平成23年8月
庄内町