ササニシキ ひとめぼれ 誕生の地

ささにしきひとめぼれたんじょうのち

東北新幹線・古川駅前広場の塔の南面に「ササニシキ・ひとめぼれ 誕生の地 ふるかわ」と書かれている。東西面には「大正デモクラシーの旗手 吉野作造生誕の地」とも書かれており、北面には「仙台牛のふるさと」と書かれている。また 駅の正面には, 稲を手に持った少年と母親の像(ササニシキ顕彰碑)が建っている。

“ササニシキ”は 昭和38年(1963) に, 宮城県古川農業試験場で“ハツニシキ”と“ササシグレ”を 掛け合わせて誕生した, 日本を代表する米の品種の一つ。かつては“コシヒカリ”と並ぶ「横綱」と呼ばれた人気品種で, 生産量は平成2年(1990) にピークに達したが, 耐病性が低く冷害に弱いという弱点があり, “ひとめぼれ”に品種交替されて,ササニシキの生産は大幅に減少した。コシヒカリに比べて 冷えても食味が落ちにくいのが特徴で, 寿司や弁当に最適とされた。

“ひとめぼれ”は, ササニシキと同じ 宮城県古川農業試験場で 寒冷な気候に耐える品種として, “コシヒカリ”と“初星”の交配によって昭和56年(1981) に誕生した。味の良さや コシヒカリより栽培が容易なため, 寒冷地以外でも生産されるようになり, 作付けは全国に拡大し平成6年(1994) には 全国の作付け2位になった。

写真

  • ササニシキ顕彰碑
  • ササニシキ顕彰碑 碑文
  • ササニシキ顕彰碑 背面
  • ササニシキ顕彰碑.
  • ササニシキ ひとめぼれ 誕生の地

碑文

ササニシキ
ひとめぼれ誕生の地 ふるかわ

ササニシキ顕彰碑

 ササニシキ(水稲農林150号)は, 昭和38年(1963 年)に宮城県農業試験場古川分場において, 父, ササシグレ, 母, 奥羽224号(後のハツニシキ)の子として誕生した。父 のササシグレは画期的な多収性と, 抜群の良食味を誇る大品種であったが, 子のササニシキは, 父を更に上回る多収性, 安定性の他, 父譲りの良食味等, 優れた素質を備えた品種となった。
 ササニシキは, 東北地域中南部に広く栽培され, その作付面積も昭和60年には, 約20万ヘクタールに達し, 全国第2位の大品種に成長した。
 ササニシキは, 誕生当時の食料不足時代には, 多収穫品種として, 米の増産に大きく貢献した。そして, 良質米が求められる今日, ササニシキは, 最高の良質・良食味米品種として名声を博し, 宮城県を中心とする栽培地帯は, 日本一の良質米生産地として注目されるに至った。
 ササニシキは, 誕生後今日まで四半世紀の間, 時代の変化とその時々の要請に応じて, その特徴を見事に発揮し, 広く国民の期待に答えるとともに, 産地の農業及び地域経済に対して計り 知れない恩恵をもたらした。
 この稀に見る水稲の大品種, ササニシキの偉大な功績を称え, 後世に伝えるため, 広範囲に及ぶ地方自治体, 産地農民, 農業 団体, 商工業団体当が浄財を拠出し, ここに顕彰碑を建立する。

昭和62年(1987年)11月23日

ササニシキ顕彰事業

地図

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大崎市古川駅前大通1丁目 付近 [ストリートビュー]