萬葉遺跡 葛飾早稲 発祥地

まんよういせきかつしかわせはっしょうち

武蔵野線 三郷駅の北 およそ1.5km の地点に丹後稲荷神社(三郷市早稲田8-17-8)がある。正面の鳥居に向って左手入口に 2mほどの高さの石碑が建っている。

万葉集に歌われた「葛飾早稲」の発祥の地であることを示す記念碑。
石碑の裏面に 万葉集の歌が刻まれている。

にほ鳥の葛飾早稲(わせ)を饗(にへ)すとも
 その愛(かな)しきを外(と)に立てめやも

「にほ鳥(鳰鳥)」は 水鳥の「カイツブリ」の古名で“葛飾”へのかかりことば。 『(葛飾でとれる)早稲米を神様に供えるおめでたい夜は 身も心も清く保たなければならないのに, 愛しいあの人が来たら 外に立たせておくことはできない, 迎え入れてしまうでしょう』 という一種の恋歌。

「葛飾」は 東京 葛飾区から 千葉県市川市~流山市, 埼玉県三郷市などを含む 江戸川流域の一帯で, 万葉集が編纂された8世紀ごろには 早稲米の産地として知られていた。丹後神社のあたりは かつて“早稲田村”と呼ばれ, 現在も“早稲田”の地名が 残っている。ここが 葛飾早稲米の発祥の地だと 三郷市は主張している。

なお ここ丹後神社の他に, 千葉県流山市の「諏訪神社」「茂侶神社」, 野田市「中根八幡前遺跡」にも 同じ万葉歌の石碑が建っている。

写真

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  • 萬葉遺跡葛飾早稲発祥地 背面
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  • 丹後神社

碑文

萬葉遺跡葛飾早稲発祥地

昭和三十六年九月一日 埼玉県指定旧跡

万葉集第十四巻東歌抄

にほ鳥の葛飾早稲を饗すとも
 その愛しきを外に立てめやも

昭和三十七年二月吉日 埼玉県北葛飾郡三郷村 建之

地図

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三郷市早稲田8丁目 付近 [ストリートビュー]