魚沼 コシヒカリ 発祥之地

うおぬまこしひかりはっしょうのち

上越線 六日町駅から北北東に4km。国道17号を“宇津野新田”交差点で東に入ると,上越線の線路の東側の狭い農道に面して,茶色の大きな丸味をおびた石碑と,黒御影石の副碑が建っている。

コシヒカリは,昭和19年(1944) に新潟県の農業試験場で,当時最も普及していた“農林1号”に“農林22号”を交配して作られた米の品種。戦後“越南17号”の名称を与えられて,当地 大巻村で試験栽培が行われ 味の良さが高く評価され,新潟県奨励品に採用された。“越の国の光り輝く米”という意味を込めて「コシヒカリ」の愛称がつけられた。NHKの“プロジェクトX”で「コシヒカリ・ブランド米の伝説」が放映された。

現在コシヒカリは全国各地で栽培され 作付面積で40%近いシェアを占めており,国産コシヒカリだと主張すれば泣く子も黙る日本のもっとも有名なコメの品種となっている。またコシヒカリと掛け合わせることによって各地で新品種が開発され,“あきたこまち”“ひとめぼれ”などもコシヒカリの子品種である。

なお,「魚沼コシヒカリ」とは,魚沼産のコシヒカリのブランド名である。魚沼地区の水や気候などの環境条件がコシヒカリの生育条件に最適で,農家の栽培技術向上もあって,“山形はえぬき”と共に平成元年(1989) 以来 連続21年間“米食味ランキング”で「特A」に認定されている。

この発祥碑は,平成10年(1998) に魚沼コシヒカリ誕生50周年を記念して建立された。

写真

  • 魚沼コシヒカリ発祥之地
  • 魚沼コシヒカリ発祥之地 碑文
  • 魚沼コシヒカリ発祥之地

碑文

魚沼コシヒカリ発祥之地

先人達の営団を
 集落農家の警鐘を讃えて

 昭和二十九年(1954年)四月三十日 南魚沼郡大巻村大字宇津野新田字古川に県農業試験場委託による原種決定現地試験の種まきが行われた。この越南十七号が後の全国一の高い評価を受ける魚沼コシヒカリである。
 宇津野農事研究会の会員の手で,栽培管理および収穫調査の結果,十a当たり五百十五Kgの収穫量と病害虫被害も無い極めて優秀な成績を得た。翌年も継続実施五百三十七Kgの成績を挙げている。
 両年の成績結果から,奨励品種決定と採種圃設置を見,郡内各地の実証栽培に用いられ、広まった。
 以来,四十有余年,魚沼コシヒカリが地域に与えた恩恵は極めて大きい。
 ここに先人の努力の偉業を讃え顕彰する。

平成十年十一月吉日

宇津野新田区民一同

地図

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南魚沼市宇津野新田 付近 [ストリートビュー]