建設省 東北地方 建設局 発祥の地
けんせつしょうとうほくちほうけんせつきょくはっしょうのち
東北新幹線 一ノ関駅の西 300m。国道284号に面して「一関文化センター」がある。この前庭に大きな 黒御影石の石碑が建っている。
明治19年(1886) に ここ一関に置かれた「土木監督署」は, 3年後の 明治22年(1889) には 仙台に 移転し, 昭和23年(1948) に「建設省東北地方建設局」となった。 その歴史は 碑文に詳しく書かれている。
建設省地方建設局は, 平成13年(2001) の中央省庁再編により, 建設省港湾建設局と合体して, 現在は「国土交通省地方整備局」と改称されている。
平成26年(2014) 頃に隣接する図書館が建て替えられ、駐車場と一体に再整備された。西側道路から見える場所にあった大きな石碑は南入口から入った建物正面に移設された。
写真
碑文
北上川
治水の碑建設省東北地方建設局発祥の地
北上川の改修事業は 明治13年下流部の石巻において始められたが 同19年7月12日政府は 我が国の土木事業の推進を図るため土木行政機構の改革を行い 東北地方全般の土木行政を統括する拠点として「内務大臣山県有朋・内務省令13号」をもって当地に内務省第二区土木監督署を設置し 近代的舟運を目的とした北上川水路改 修工事や道路改築など東北開発の根幹となる様々な事業の策定推進を図った
現在の一関市田村町120番地に設置された同署は やがて同22年7月仙台市に移転し 後の仙台土木出張所と名称を変え その後戦争など幾多の社会的激動を経て 昭和22年12月の内務省廃止に伴い建設院となり さらに同22年7月10日には建設省東北地方建設局となり現在に至っている このような経緯からみても当地は まさに東北地方における建設行政の発祥の地であり 揺籃の地でもあった また建設院総務長官には 一関市出身の阿部美樹志博士が就任した
この間 北上川流域は 昭和22年カスリン台風 同23年アイオン台風に代表される大洪水により 甚大なる被害を受けてきた しかし 今日それらの教訓と流域住民の協力により 北上川の治水事業である堤防や上流ダム群の建設が進み また現在 東北地方最大の一関遊水池大規模治水事業が推進されている
ここに 内務省第二区土木監督署の発足から百年を記念し 北上川治水事業の促進による益々の民生安定並びに経済発展を願うとともに これまでの幾多の洪水による犠牲者の鎮魂を祈って当碑を建立するものである昭和61年7月12日
建設省東北地方建設局
岩手工事事務所長 下村 周
一関市長 及川舜一
寄贈 社団法人 東北建設協会