工芸 発祥
きんだいこうげいはっしょうのち
仙石線 宮城野原駅の北西500m。 宮城野中学校の構内, 南西隅に 自然石に「工藝発祥」というプレートを貼り付けた 高さ3mほどの大きな石碑がある。脇に 建立趣旨を記した副碑も添えられている。
学校地内ではあるものの、フェンスごしに道路から見られる向きに建てられている。
昭和3年(1928), 商工省は 日本固有の工芸の改善発達を図るために, 「国立工芸指導所」を 仙台市の 元陸軍幼年学校敷地 (現在の 宮城野中学校) の一部に設立した。昭和8年(1933) には ドイツの建築家ブルーノ・タウトを嘱託として迎えて 先端的なデザイン教育が行われ, 鋳金・鍛金・漆工・木工等 多くの技術者を養成した。
この施設は その後 「工芸指導所東北支所」「産業工芸試験所東北支所」「東北工業技術試験所」 「東北工業技術研究所」と改組され, 2001(平成13)年に 独立行政法人 産業技術総合研究所 東北センターに引き継がれている。
写真
碑文
工藝
発祥明治以来ひたすら西欧追従に急な時流の中で, 優れたわが国伝統の工芸に着目し, その近代化をはかり輸出を振興するため, さらには東北の産業開発の一翼をになって昭和三年国立工芸指導所はこの地に創設された。工芸指導所は工芸を産業の技術として高め, わが国産業工芸の基盤をつくった。また「見る工芸から使う工芸は」の指導理念のもとにドイツの建築家ブルーノ・タウトを招き機能実験, 規範原型の研究を行うなど, 近代デザイン運動を世に先駆けて実践した。まさに近代工芸及びデザイン研究発祥の地であることを思い, 之を記念し, 心あるもの相寄りこの碑を建てる。
昭和四十五年初夏