日本の独楽の発祥の地
にっぽんのこまのはっしょうのち
福岡市営地下鉄 祇園駅の2番出口を出ると,すぐ近くに龍宮寺(福岡市博多区冷泉町4-21)がある。寺の山門に向って左側に,「三寶大荒神」と刻まれた石標と並んで,「旧上小山町」という小型の標識があり,ここに「日本の独楽の発祥の地」と書かれている。
“博多は独楽の発祥の地”と言われるが,これには 遊具としての独楽を指す場合と,独楽を使った曲芸を指す場合とがある。回転する独楽そのものに関しては、現在の独楽の原型ともなる“丸い木の台に鉄芯を打ち込んだ独楽”が17世紀の後半に博多で生まれ,「博多独楽」と呼ばれた。芯棒に鉄を使用することで 偏心が少なく回転寿命が長くなり,独楽は単純に回して遊ぶだけでなく,相手の独楽にたたきつける“ケンカ独楽”として競う遊びが生まれて全国に広がった。
鉄芯の独楽の登場によって,掌・棒の先・横に張ったひもの上など いろいろな場所で独楽を回すことができるようになって 独楽の曲芸が発生し,その中から曲独楽師が生まれ芝居興行に発展。各地を興行してまわるようになった。この曲独楽も「博多独楽」の名前で呼ばれた。
博多独楽の一座は次第に京都・大阪方面に出て興行するようになり,京都四条河原での興行では近所の歌舞伎芝居がすっかりさびれる程の盛況であったという。
明治時代以降,博多独楽の芸は途絶えていたが,それを初代
ちなみに,
写真
碑文
旧上小山町
日本の独楽の発祥の地。この界隈には寺院が多く立ち並びその塀が長く続く様を博多の人は八町塀と云った