宮重大根 発祥の地
みやしげだいこんはっしょうのち
東海道本線 稲沢駅から 南東に1km。名古屋高速道路一宮線の“西春インター”の西500mに“宮重遊園”という小さな児童公園がある。そのフェンス外側に設置された“春日町名所案内板”に「宮重大根発祥の地」と書かれている。
大根は, ゴボウのように細く長い“守口大根”, カブのような球体の“桜島大根”・”聖護院大根”, 太く長い“練馬大根”など, その種類は多い。
宮重大根は, 長さは40cmぐらい, 頭は小さくなで肩, 胴は太く, 青首。漬け物・煮物・生食 など いろいろな用途に向くと言われる。
宮重大根は1000年以上も前から 木曽川に近いこの地域で栽培されており, 肥沃で砂質の土壌が 大根の栽培に適していたとされる。江戸時代中期から 全国にその名が知れ渡るようになり, 松尾芭蕉の手紙にも宮重大根の名前が出てくる。明治時代になると 周辺地域に栽培が広がり, 昭和にかけて 愛知県の代表産物となった。しかし 太平洋戦争中から食料不足対策として サツマイモに転作され, さらに病虫害などにより 昭和40年代に宮重大根は消失してしまった。
そこで もう一度元祖の宮重大根を復活させようと, たまたまある農家の引出しから出てきた種子を基に, 平成4年(1992) に「宮重大根純種子保存委員会」が設立され, 宮重大根が復活した。現在 愛知県の伝統野菜に選定されて 郷土野菜の復活に取り組んでいる。
平成19年(2007) 11月に この近くの“みやしげふれあい農園”横に 『宮重大根発祥之地趾』という石碑が建てられた。
追記 2017.6
同じ場所に相変わらず看板が立っているようだが、デザインは一新されているので未訪問の扱いとした。細かい字句はともかく内容は変わっていないらしい。清須市にお住まいの方はどうぞ写真を撮ってお送りください。ハンターがたいへん喜びます。