三陸鉄道 北リアス線 ここに始まる

さんりくてつどうきたりあすせんここにはじまる

三陸鉄道久慈駅の駅の建物を出た所に「三陸鉄道北リアス線ここに始まる」と書かれた石碑が建っている。

三陸鉄道は,三陸海岸を縦貫する鉄道のうち,久慈~宮古間(北リアス線,71km)と さかり~釜石間(南リアス線,36.6km)を運行する第三セクターの鉄道会社。昭和59年(1984) に,旧国鉄で廃線されることになった路線と建設途中だった途中の路線を引き継いで,発足した。

北リアス線は,旧国鉄の久慈線(久慈~普代ふだい,26km)と宮古線(宮古~田老たろう,12.8km)を引き継ぎ,さらに 普代~田老間に建設途中であった路線(32.2km)を完成させて,昭和59年(1984) に開通した。
この「ここに始まる」碑は,北リアス線の開業を記念すると同時に,普代~田老間の新路線の開通を祝して建立されたものであろう。

なお,三陸鉄道関連の記念碑はこの他に,南リアス線の盛駅前に「三陸鉄道ここに始まる」という石碑が,宮古駅前に「三陸鉄道いま成る」という碑が建てられている。

宮古駅前の「いま成る」碑には 次のような碑文が見られる。

我等の先輩が 鉄路への志を発してより九十年
 その間津波にもめげずに立ち上がりまたフェーン災害 ヤマセの悲風等幾多沿岸特有の悪条件に抗しつつふるさとなる我が三陸を守り来たりたる沿岸人四十万は今ぞ南北に鉄道を打ち貫く事を得たり
 先人よ 照覧せられよ
 後進よ この業の上に 更に三陸の未来を創建せよ
 この鉄路こそは沿岸住民の生活経済文化の動脈なり而して全国遊子の陸中沿岸国立公園探勝の絹路なり
 ここに三陸鉄道打通に身魂を捧げたる先人の功を碑を建て深く頌し 更に後進我等の奮闘を決意するものなり

余談だが,久慈駅は平成21年(2009) 6月から「琥珀王国久慈」という名前で呼ばれている。これは 駅名にネーミングライツを設定し,久慈市観光物産協会と琥珀製品を製造販売する地元の会社が命名権を取得して愛称としたもの。久慈地方は 国内最大の琥珀産地として知られており,国内では唯一の“琥珀博物館”も設立されている。

なお,平成23年(2011) 3月の東日本大震災のため 北リアス線は甚大な被害を受け,全線が不通となったが,平成24年(2012) 4月までに島越駅を挟む区間を除いて復旧しており,残る島越駅も 平成26年(2014) までに復旧する予定という。

写真

  • 三陸鉄道北リアス線ここに始まる

碑文

三陸鉄道北リアス線
ここに始まる

昭和59年4月1日

久慈市長 久慈義昭

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三陸鉄道

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久慈市中央3丁目 付近 [ストリートビュー]