汁醤油 発祥之地

しるしょうゆはっしょうのち

阪神電鉄 大物(だいもつ)駅の南に大物主(おおものぬし)神社(尼崎市大物町2丁目7-6)がある。神社の南側の鳥居脇に 自然石の石碑が建っている。

碑は一見古そうな外観だが, 裏面を見ると“平成五年”と書かれており, まだ10年あまりしか経っていないのが意外に思われる。

「汁醤油」については資料が乏しく 詳しいことはわからない部分が多いが, 味噌の醸造に際して器の底に溜まった液汁を「溜まり醤油」と呼んだのに対して, 清酒醸造の技術を応用して造られた醤油が「汁醤油」(と思われる)。

煮た大豆と小麦を混合して種菌を加えたものが「麹」で, これを食塩水に漬け込んで半年~1年ほど発酵させた「もろみ」を, 最後に圧搾機でしぼったものが 「生醤油(=生揚(きあげ)醤油)」となる。

明治から大正期にかけて 尼崎の最大の産物は「醤油」であった。 大正初期に生産量はピークに達したが, その後は減少の一途をたどり, 戦後 昭和20年代には一軒の業者もいなくなり,「尼の生揚」は 消滅してしまった。

昭和60年代になって, 生揚醤油の芳醇な味わいをなつかしむ地元の有志が集まって, 「幻の醤油 尼の生揚」の復活を果たした。現在も毎年, 生産量は限られてはいるが醸造された製品が期間限定で市販されている。

写真

  • 大物主神社
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  • 汁醤油発祥之地
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  • 大物主神社

碑文

汁醤油発祥之地

尼生揚醤油
保存会会長 氏平競重

尼の生揚醤油保存会役員 (氏名略)
平成五年五月吉日建之

地図

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尼崎市大物町2丁目 付近 [ストリートビュー]