諏訪地方 電気 発祥の地
すわちほうでんきはっしょうのち
中央本線 下諏訪駅から北に2.5Km。国道142号で砥川沿いに北上し、砥川が東俣川と分岐するあたりに、中部電力の「落合水力発電所」がある。この入口の門柱に「落合発電所・諏訪地方電気発祥の地」と書かれた看板がかかっており、構内には「諏訪地方に電気を送って百年」という説明板が建っている。
1897(明治30)年諏訪電気株式会社が設立され、1900(明治33)年に東俣川の豊富な水を利用して60kWの発電能力を持つ落合発電所がこの地に設立された。発電能力は3年後に2倍に引き上げられた。
電力の用途は最初は一般家庭の照明用が主であったが、諏訪地方に盛んだった製糸業の動力用として利用が広まり、電力需要が急増していった。
落合水力発電所は、現在も中部電力の発電所として現役で電力の供給を続けている。
写真
碑文
落合発電所
諏訪地方電気発祥の地
明治三十三年 運転開始
諏訪地方に電気を送って百年
諏訪地方の電気発祥の地諏訪の地に,電気の灯火が点いて百年の歳月がたちました。
明治十一年(1878年)日本で、初めて電気の灯りがともり、明治二十年代に、白熱灯の実用化とともに、電気の灯りは日本国内に広まり始め、諏訪の地にも水力発電書建設の機運が生まれました。
和田峠周辺の水系を調査し、諏訪地方で最も安定した水量がある、東俣川を選び、明治三十年六月、長野県知事から河水引用の発電所設置を許可され、明治三十年十一月、上諏訪町・下諏訪町・長地村・平野村を供給区域として、諏訪電気株式会社が設立されました。
当時の最新の技術と、多くの苦労を乗り越え、明治三十三年十月、東俣川に出力六十kWの落合水力発電所の工事が竣工いたしました。建設当初は主に電灯のお客さまでありましたが、この地に栄えた製糸業の動力としてその近代化の一翼を担うため、明治三十六年さらに、出力六十kW一台を増設し合計出力百二十kWとしました。製糸業の電気使用量がますます増加したため、明治四十三年には、落合発電所の機械全部を取替え、出力二百kWに増加させ、電気を送り続けていま す。
現在では、世界に誇る電機機械産業や精密機械産業を支える原動力として営々と発電を続け地域の発展に大きく貢献しております。
百年という長い間、諏訪の地に電気を最初から送り続けた落合発電所の偉業と労苦をたたえると共に、電気事業の発展を温かく見守っていただいた、諏訪地区の皆さまに感謝を込めて落合発電所百周年を記念して、之を建てる。
平成十二年十月吉日
中部電力株式会社
諏訪電力センター