沢庵漬 名称 発祥の地
たくあんづけめいしょうはっしょうのち
山形新幹線 かみのやま温泉駅から北西に約1km、東北の名湯として知られる
「春雨庵」は江戸時代に、たくあんの考案者とされる沢庵和尚が享禄2年(1529) に上山に流刑され、ここで3年を過ごした。現在の建物は昭和25年(1950) に再建されたものだが、沢庵和尚が江戸に戻って開いたというゆかりのある東海寺から建材の一部を譲り受けたという由緒正しい建物だ。
庵内には沢庵和尚の像が鎮座している。また、庵の前にはユーモラスな和尚の石像もあり、なんともカワイイ。「春雨庵」についての説明はあるものの、肝心の「沢庵漬名称発祥」については記述がなく、碑にも記載はないため、何をもってここを発祥としているかはこれだけではわからなかった。東海寺には沢庵和尚の墓があり、墓石が漬物石のようだから沢庵漬……という説が無いでもないようだが、資料に乏しく不詳にして容認しがたい。
地元の人に聞いたところでは、上山で和尚が過ごした3年間に、地元の人が大根などの農作物を差し入れしており、そこで和尚が塩と麹を使った保存食として漬物を伝授したのではないか、とのことだった。当時の三代将軍家光の父である大御所秀忠の死によって出された大赦令で沢庵和尚もわずか3年で江戸に帰ってしまったが、これがなければ「発祥の地」の歴史も違っていたかもしれない。
上山温泉では発祥にちなみ、たくあんを使った料理を提供している。宿泊した老舗の温泉旅館でも「たくあん茶漬け」が朝食メニューにしっかりと入っていた。
写真
碑文
澤庵漬名称発祥の地