うーめん 発祥の地

うーめんはっしょうのち

 
撮影:
2018年10月(写真 T.Miyさん)
2018年11月

東北本線 白石しろいし駅北西、白石消防署(白石市城北町4-2)敷地隅に小さな石柱と案内板が設置されている。

石柱だけでは何のことかさっぱりわからないが、説明板には発祥の商家「大味だいみ家」の写真とともに詳しく説明されている。胃病を患った素麺好きの父のために、子が製法に油を用いない極細麺を開発し、胃病も快方。その新しい麺の製造を地域へ伝授し広まったというストーリーは、成功者によく見られるパターンだ。

製造に油が使われないせいか乾麺の状態では腰が弱く折れやすいという。そのため9〜10cm程度に短く切りそろえられているのが特徴だ。かつて大名等への献上品は、その折れやすい麺を頑張って長く切りそろえ、長いものほど上等品としたらしい。なお、たまたま入手したものを茹でていただいてみたところ、そうめんと言うには太かった。

写真

  • うーめん発祥の地
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  • 白石温麺(うーめん)発祥の地
  • 白石温麺(うーめん)は短い

碑文

うーめん発祥の地

白石しろいし温麺うーめん発祥の地

かつて、この場所に大畑屋おおはたやという商家があった。
江戸時代の元禄年間、その二代目久左衛門は胃病を患い、何日も絶食することがあり、その息子浅右衛門をひどく心配させていた。
久左衛門は素麺そうめんが大好物だったが、製造に油を使用するため、医者から止められていた。そこで、浅右衛門はうどんを勧めたが、久左衛門から太くて腹にもたれるため「見ただけでもうんざりして一層食欲がなくなる」と言われてしまい、困り果てていた。
そんな時、浅右衛門は旅の僧から油を使わずに作る麺のあることを聞き、その製法を熱心に習い、そしてついに自ら作り出すことに成功した。
これは素麺そっくりだが、細い上に油をまったく使わず、塩水でこねるので口ざわりも上々だった。それを病床の父久左衛門に進めたところ、一口食べて「うめえ(美味しい)」と言って喜んだ。しかも、これですっかり食欲が出て常にこの麺を食べるようになり、長年の胃病も全快したという。
これが白石温麺の起源である。その後、浅右衛門は名を味右衛門みうえもんと改め、代々温麺作りを家業とした。さらに後年研究を重ね、温麺が白石の特産となるよう簡単な製法を考案して皆へ伝授し、広まっていったのである。
大畑屋の味右衛門、「大味だいみ」の名で知られた商家があったこの場所こそ、親孝行が産んだ白石の特産【白石温麺発祥の地】なのである。

地図

地図

白石市城北町 付近 [ストリートビュー]