クロソイド曲線を日本で初めて設置
くろそいどきょくせん
国道17号が東京 日本橋から北上し、猿ヶ京温泉を過ぎて更に10km余。群馬県の最北部で三国トンネルに入る直前。国土交通省 高崎河川国道事務所 三国除雪ステーション(利根郡みなかみ町永井)敷地の隅に、半円を描いたモニュメントが設置され、説明が刻まれた副碑がある。
「クロソイド (clothoid)」という名は、人間の運命の糸を紡ぐとされるギリシア神話の女神クローソー(Κλωθώ = Clotho) に由来。任意の点の曲率が原点からの曲線に沿った長さに比例するオイラーの螺旋で、道路や鉄道の緩和曲線やローラーコースターの設計に用いられる。
なお、山梨県甲州市大和町の甲斐大和駅近く、国道20号沿いにもソロソイド曲線碑があるが説明がなく意味がわからない。
写真
碑文
クロソイド曲線記念碑
三国峠付近の国道は、古くは三国街道として江戸と越後を結ぶ主要な街道であったが、戦後本格的な自動車交通時代に対応する道路に改良すべく、建設省三国国道工事事務所が昭和27年より工事に着手し、昭和34年の三国隧道の貫通により完成したものである。
この区間は小半径の曲線が重なる山岳道路のため、車両が安全褐快適に走行できるように道路の直線部と曲線部の間に、緩和区間としてクロソイド曲線を昭和28年に日本で初めて設置した。
これを記念してここに碑を建立する。昭和61年12月
建設省高崎工事事務所長
田崎忠行
クロソイド曲線とは
一般に道路の線形は直線と曲線で構成されているが、これらを直接接続すると運転者は急なハンドル操作を行わなければならない。
曲線が連なる山岳道路や高速走行を必要とする幹線道路医おいては、これらを接続する場合クロソイドと呼ばれる緩和曲線を設置し、一定角度のハンドル操作で通過できることにより安全でなめらかな走行性を与えるようにしている。