札幌 舗装道路 発祥の地 (旧)
さっぽろほそうどうろはっしょうのち
札幌駅の南400m。旧 開拓使札幌本庁舎(通称 赤レンガ庁舎)から東に延びる“北3条通り”。この道路に面して建つ“札幌三井ビル別館”の前(道庁寄り)に, 写真の「札幌舗装道路発祥の地」碑と説明板がある。
北3条通りは, 1924(大正13)年に 札幌で初めて道路が舗装された場所。道庁前から 札幌駅前通りまでの 短い区間だが,雨や雪が降れば 道路がぬかるみになった当時としては 画期的なことだったのだろう。この時に使われたの舗装材料は 木製のブロック。ブナ材を ほぼレンガの大きさに加工して 防腐処理を施し, 延長117メートル・幅14.5メートルに敷き詰めた。ブロックの数は約12万個にもなったという。
この 石畳 ならぬ“木畳”の道路は, 現代でも 公園の遊歩道などに使われることがあるが, 車道では 車の重量に耐えられないため 特別な場合以外は使われない。特に札幌の場合は, 冬季に道路面の“凍上現象”(土壌が凍結して隆起する現象)があるため, すぐに路面がデコボコになるため, 間もなく “木畳”の上にアスファルト舗装を施してしまった。
現在この道路は 一部がレンガ敷きとなっているが, その下には 昔の“木畳”が残されているという。
発祥碑の写真を見ると, 上下に四角いブロック状のものが見えるが, これは 地下から掘り出した当時の“木畳”ブロックである。
平成21〜22年(2009-2010)頃に、札幌三井ビル別館はスクラップアンドビルドによって地下4階地上36階の札幌三井JPビル(赤レンガテラス)となり、北3条通りが遊歩道広場「アカプラ」として再整備されて撤去された。
なお、再整備にに伴い、同内容の案内碑が、北側の日本生命札幌ビル(ノアシス3.4)寄りのイチョウ並木の列に沿って再建されている。
写真
碑文
札幌舗装道路
発祥の地
大正十三年大正十三年(1924年)木レンガによる札幌初の道路舗装がここで行われました。
現在でも, 車道部分のアスファルトの下にこの時の木レンガ(ブナ)が眠っており掘り起こしたものの一部をこの碑に使用しています。
なお, 翌年に, 樹齢十九年のイチョウ(現存)も植えられました。
赤レンガへの道は木の舗装
フロンティア物語・木レンガ舗装
大正時代には, 北海道でも都市の近代化がすすみ, 各地で道路の舗装がはじまりました。この北3条通りでは, 大正13年(1924年)に北海道庁正門前から駅前通りまでの117.27mを, 歩道と車道に区分して舗装を行いました。車道はアスファルト, 車道には木塊(木レンガ)を施しています。
木塊は縦5寸(約15cm), 横3寸(約9cm), 厚さ2寸8分(約6.5cm)のブナ材を用い, クレオソート液にコールタールを混ぜた防腐剤を注入しています。
これは札幌での初めての道路舗装ですが, 冬には木塊が浮き上がる欠点があったため, 昭和5年(1930年)木塊の上からアスファルト舗装をかぶせています。
また, 歩道と車道の境界として植えた32本のイチョウ並木は, 荒川堤防用として育成されていた木を東京土木事務所から譲りうけたものです。赤レンガ道庁を背景としたイチョウ並木の景観は,「さっぽろ・ふるさと文化百選」に選定され, 市民に親しまれています。