北海道における 水力発電所 発祥の地
ほっかいどうにおけるすいりょくはつでんしょはっしょうのち
岩内町の市街地から国道229号 雷電国道を南西に5kmほど下ると,国道の南側に「北海道における水力発電所発祥の地 入口」と書かれた看板が建っている。
北海道における電力供給は,明治24年(1891) の札幌市にはじまり,その後小樽・函館……と広がっていったが,これらはいずれも火力発電による電力であった。冬季の河川の凍結があるため,水力発電は適さないと言われていた北海道であったが,三井助作という人物は岩内水力電気㈱を創業し,ここ幌内川河口近くに 北海道で初めての水力発電所を建設し,明治38年(1905) 水の電力の供給を開始した。水の落差44m,交流3相2500Vで120kWと(現代の常識からすると)小規模な発電所ではあったが,これを契機に道内各地に水力発電所の建設が続いた。
この地は 幌内川発電所への入口で,ここから少し先に発電所があった。現在はレンガ積の遺構が残されているのみである。
この発祥の看板は,昭和54年(1979) に岩内町によって設置された。現地は入口付近が資材置場となっているようだが,周辺は整備されておらず荒れ放題という印象。貴重な産業遺産が埋もれていくのは残念である。
写真
碑文
北海道における
水力発電所
発祥の地入口