石水発祥の池
いしみずはっしょうのち
中央本線 穴山駅から東におよそ1km。駅から能見城跡を挟んでちょうど反対側の位置に城源院(穴山町3831)がある。その200m程東の畑の中に手押しポンプがあって, 「石水発祥の池」という手書きの説明板がかけられている。
「石水発祥の池」に関しては碑文に書かれた以上の背景は不明であるが, 昔からこの地には湧水が出ていて名水として地域の人たちに 親しまれていたらしい。そのためこの地域は「石水」という地名が起こり 今日に引き継がれている。
写真で分かるように この説明板には「発祥の地」ではなく「発祥の池」 と書かれている。まさか書き間違えたのではないと思うのだが, 「石水」とは 以前は池だったのだろうか?
この水は現在も飲むことができ, 水呑み用のコップも置いてある。実際に飲んでみたところ, やや金気があるような味で, 申し訳ないがあまり美味しく感じられなかった。都会の水道水に舌が慣れてしまったせいなのか...…
写真
碑文
石水発祥の池
昔, 巨岩の間に湧き出る清水をこの郷人は生活の糧として来たことに起因して石水の地 名となったと言い伝えられている。
旧家, 守屋家に残されている万延元年 (1860年)十一月藤原英成書『石水の記』に 「この井ひさめ降るにも濁ることなく日照りするにも涸れることなく, ここは浅かれど縄にて汲みあぐる労もなくただひさごひとつをもっておもうままに汲みとるるなり, かくて水はいとかろく, 冬のあしたに面をあらうときは, ひややかなるを覚えず, 夏も暑さをわするるよすがとなる, 木の芽を煮ては 世の外なる楽をなし, この清水にてつくりたる酒は浮世のちりを払う。まことに石井の名におふとこしえに, たゆるなく生井栄井といやさかえにさかえつついいしれぬ水なり」と称賛している。
平成十二年一月地区組員の総意により二月保健所の水質基準に適合していることから, 愛飲を呼びかけることになりました。平成十二年四月 石水地区