能楽 宝生流 発祥之地
のうがくほうしょうりゅうはっしょうのち
桜井線・近鉄大阪線 桜井駅から東に 1.5km。国道165号 初瀬街道の外山バス停近くに宗像神社(桜井市外山818)がある。神社の境内入口に向かって左側、鳥居の手前にある小公園の隅に「能楽宝生流発祥の地」と刻まれた石碑が建っている。公園入口附近には標識も掲出されている。
能は 鎌倉時代後期から室町時代初期に完成を見た。室町期に成立した大和猿楽の
宝生流の祖は 観阿弥の長兄“宝生大夫”で, 宝生は大和猿楽の外山座に加わっていた。 後に 外山座は座の中心的役者である 宝生大夫の名を取って「宝生座」と呼ばれるようになった。
宝生流は, 室町時代には小田原の北条氏に保護され, 江戸時代には 能を溺愛した徳川綱吉が 宝生座を贔屓にし, 加賀藩の能も 宝生流中心となった。
大和地方から山城地方にかけて 能の各流派の発祥の地の伝承をもつ地が多い。宝生流に関しては ここ宗像神社の他に,京田辺市の月読神社に「宝生座発祥の地」の記念碑が建っている。
写真
碑文
能楽宝生流発祥之地
十七世宝生九郎書
昭和三十六年八月一〇日建之