西洋料理 発祥の碑
せいようりょうりはっしょうのひ
長崎のグラバー園の中央近く, 三浦環像と旧グラバー邸の間に喫茶室として利用されている「旧自由亭」がある。この建物の傍らに「西洋料理発祥の碑」が建っている。
自由亭は 草野丈吉が作った 日本最初の西洋料理店。草野は 長崎 出島のオランダ人屋敷で料理人として修行した人で,文久3年(1863) に“良林亭”という小さなレストランを出した。店は繁盛し, 店名は“自遊亭”,“自由亭”と変わり, やがて馬町に新しい店を新築した。
その後 草野は 大阪や京都に ホテル兼レストランを開業し, このため明治20年(1887) 頃には自由亭を廃業した。この建物は官舎などに使われていたが, 昭和48年(1973) に保存のために長崎市が譲り受け, グラバー園内に移築復元したものである。
写真
碑文
西洋料理発祥の碑
わが国西洋料理の歴史は, 16世紀中頃 ポルトガル船の来航に始まり, 西洋料理の味と技は 鎖国時代, 唯一の開港地 長崎のオランダ屋敷からもたらされた。
1800年代にいたり 横浜, 神戸, 函館などが開港され, 次第に普及し, 更に東京を中心に 国内に大きく輪を広げ, 日本人の食生活に融和され 現在の隆盛となった。ここに西洋料理わが国発祥を記念してこの碑を建てる。1977年 社団法人 全日本司厨士協会