博多港 発祥の地
はかたこうはっしょうのち
福岡市営地下鉄 箱崎線の呉服町駅から 北西に800m。福岡サンパレスホテルの裏,博多港に面する護岸遊歩道の一角に「博多港発祥の地」と書かれた大きな錨のモニュメントが載っている碑が,北(港の方)を向いて建っている。
博多港の歴史は古い。
博多湾を包み込むように北につきでている志賀島から 金印(漢委奴国王印)が発見されたことからもわかるように, 博多の港は 紀元1世紀ごろにはすでに 中国大陸に開けた港であった。7~8世紀に大陸へ派遣された 遣随使・遣唐使などもこの港から出て行き,大陸の文物も この港が受け入れた。
このように 文化の出入口となった博多には“大唐街”とよばれる中国人街が作られ 貿易港として繁栄した。
明治維新に際して 開港の対象(横浜・長崎・函館・新潟・神戸)には含まれなかったものの, 博多港はその地理的・歴史的な背景から,1883(明治16)年に特別貿易港に指定され, 1899(明治32)年には 正式に国際貿易港としてスタート。現在は 西日本最大の貨物取扱量を誇っている。
写真
碑文
博多港発祥の地
THIS IS THE PLACE HAKATA
PORT WAS FIRST ESTABLISHED日本三大津の一つ「那ノ津」と呼ばれ古来より大陸文化受け入れの要衝の地であった博多港は明治32年7月13日開港の指定をうけ博多船溜を中心に近代港湾としての道を進み国際貿易港として現在に至っている。博多船溜にはかって魚市場も併設されていた。博多港のより一層の発展を念じこの地に記念の碑を建立する。
昭和60年7月20日
福岡市長 進藤一馬
縦書きで算用数字を縦中横に用いるのは実用的だが、碑版としてはなかなか見かけない珍品。