北海道 海水浴場 開設 発祥之地

ほっかいどうかいすいよくじょうかいせつはっしょうのち

函館本線 蘭島らんしま駅の北300m。蘭島海水浴場のほぼ中央付近の砂浜に石碑が建っている。

海水浴の風習は 明治の初期に外国から持ち込まれ, 北海道では お雇い外国人などが 小樽の銭函や函館の七重浜などが利用されたが, 日本人の一般庶民が利用する本格的な海水浴場は, 1903(明治36)年に 蘭島村の海岸に 休憩所を設けたのが始まりである。

蘭島は かつてはニシンで栄えた漁村だったが, 明治末期には ニシン漁はピークを過ぎていた。 幸い 浜は遠浅で波も穏やか。そこで 水産加工業を営んでいた丸山三郎氏は, まず 鉄道の駅の誘致を働きかけた。それまで この付近の駅は 別の場所が予定されていたが, 土地の買収が長引いている間に 丸山氏が用地を無償で提供して, 函館本線・蘭島駅の設置が 決定した。その翌年簡易的な休憩小屋を作り, 報道・鉄道関係者らを招いて 「海水浴場」の開設ををアピールした。

札幌に近いという立地のよさのおかげで, 蘭島は北海道を代表する海水浴場に発展し, 別荘地の開発まで行われた。 ピーク時(昭和50年代)には シーズンの海水浴客の人出は70万人にも達したといわれる。最近は 16万人の水準にあるという。

写真

  • 蘭島海水浴場
  • 北海道海水浴場開設発祥之地
  • 北海道海水浴場開設発祥之地 副碑 碑文
  • 北海道海水浴場開設発祥之地 副碑?
  • 北海道海水浴場開設発祥之地 背面
  • 北海道海水浴場開設発祥之地 台座背面
  • 蘭島駅
  • 蘭島駅

碑文

北海道海水浴場開設発祥之地

小樽市長 志村和雄 謹書

碑文

明治三十五年地元丸山三郎氏の多大な尽力に より蘭島駅が開駅となり 翌三十六年七月, 同氏が鉄道・報道関係者多数浜に招待し,今 後の海水浴場の発展のため協力方をお願いし たることに始まりとされております。
爾来今日まで組合員,地域住民一体となり, あらゆる公害より海を守り,北海道の海水浴 場の発祥の地にふさわしく美しい自然環境の もとで,小樽市を始めとし関係機関の指導協 力により事故のない快適な海水浴場として広 く道民に利用されておるところであります。 本年蘭島海水浴場開設八十周年記念を迎える に際し記念事業の一環として,元組合長武井 一朗氏の土地の寄贈を得て,この地に記念碑 を建立す。

昭和五十八年七月三日

蘭島海水浴場開設八十周年記念 
実行委員会

碑版背面には、寄贈者名が刻まれているが省略
台座背面には、小樽日赤会場安全奉仕団長や歴代組合長名が刻まれているが省略

地図

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小樽市蘭島 付近 [ストリートビュー]