肬水 地名 発祥之庭

いぼみずちめいはっしょうのにわ

JR小海線 中込なかごみ駅から国道254号を県境内山峠に向かって東に約6km。佐久市内山に肬水いぼみずという地域がある。国道沿いに、やや荒れた感じの石宮という神社があり、道路に沿って東隣の小さな空き地の端に「肬水公園」と書かれた札が立っている。その広場の道路沿い西側、神社の石垣が切れた隅に、高さ50cmほどの丸っこい小さめの石碑が据えられている。

肬水地名発祥之庭

国道が現在の2車線歩道付となる以前はもっと細い道で、肬水公園ももっと広かったという。この広場にはかつて水が湧いており、いぼの治療に効果があったと伝わる。疣ができるとこの広場に湧く水をもらって帰り疣につけ、疣が治ると水を持ってまたお参りした。そのことから、その湧水の広場は「肬水さん」と親しまれ、そのまま地名となったらしい。

なお、疣贅ゆうぜいのイボの字は「やまいだれ[疒]」だが、それではいかにも病気っぽい忌み字を嫌い、「にくづき[月]」の「肬」になった。どちらの字でも意味も読みも同じである。

なぜ疣が治癒したのか詳しいことはわからないが、そう遠くない所では硫黄鉱山があったり、ラジウム温泉があったり鉄平石が採れたりと鉱物資源がわりと豊富に分布していて、地下水と混じり合って疣に効いたのだろう。実際のところ、肬水の上流側隣の「苦水」地区ではちょっとした鉱物採掘が行われたり川に魚がいなかったりと、水に鉱毒が流れていたのだと地元の方は考えている。

現在では行政上の地名は「佐久市内山」だけとなり、「肬水」はバス停の名前として残るのみとなってしまった。

長野県の東信〜群馬県西毛にかけては、奇岩が多く見られるが、その岩や山がそのまま信仰の対象となる自然崇拝であることがよく見うけられる。また、何でもないような自然石に注連縄をして鳥居を建ててお祀りしている名もないお宮も珍しくない。この石宮神社も、名前の通り背後に背負っている岩山をお祀りされているらしく、この山は雨降山あふりさんなのだと近所の方に教えていただいた。

カラーコーンのバリケードは、草刈り等の作業のためなのか、落石等の安全対策なのかはわからない。

写真

  • 石宮神社(佐久市内山肬水)
  • 肬水公園
  • 肬水地名発祥之庭
  • 肬水地名発祥之庭 背面
  • 肬水公園(西から)
  • 肬水公園 表示
  • 肬水バス停

碑文

肬水地名 発祥之庭

昭和五十三年十月建立

地図

地図

佐久市内山肬水 付近 [ストリートビュー]