宮様 スキー大会 発祥の地
みやさますきーたいかいはっしょうのち
札幌市営地下鉄東西線 円山公園駅から西南西に2.5Km。円山公園の西側に大倉山小学校がある。小学校の南に隣接する“荒井山緑地”の東端の入口脇に「荒井山スキー場跡・宮様スキー大会発祥の地」と書かれた幅1m、高さ2mほどの石碑が建っている。
「宮様スキー大会」とは、毎年3月に札幌で開催される国際競技会で、ジャンプ・クロスカントリー・アルペンなどの種目がある。
昭和3年(1928)、秩父宮殿下が北海道を訪れ北大スキー部の競技を楽しまれ、北海道に適したスポーツとしてスキーの普及を推進するよう励まされた。ちなみにこの年は北海道でスキーが始められてから20年後のことである。これを受けて2年後の昭和5年(1930) にここ荒井山スキー場で「秩父宮殿下高松宮殿下御来道記念大会」が開催された。これが第1回「宮様スキー大会」となった。
翌年の第2回大会も荒井山スキー場で開催されたが、第3回大会からは、新しく建設された大倉山ジャンプ場で開かれることになり、その後、戦時中に一時中止になったものの、大倉山と宮の森ジャンプ場を中心とする会場で毎年開かれ、2011年3月で第82回となった。
ここ荒井山スキー場は、昭和4年(1929) に建設され、第1回・第2回宮様スキー大会が開催された後は、市民スキー場として賑わった。昭和52年(1952) には北海道のスキー場として初めてスキーリフトが設置されたが、敷地が狭いこと、設備の老朽化したこと、郊外に魅力的なスキー場が開設されたことなどの理由で、平成12年(2000) にリフトが撤去され、スキー場としての機能を停止した。現在はジャンプ台のみが利用されている。
現在も残る荒井山のジャンプ台(荒井山シャンツェ)は、札幌ジャンプ少年団の練習拠点になっていて、オリンピック選手も多数輩出している。
ノーマルヒル(K=55m)、スモールヒル(K=25m)の2つのジャンプ台が隣り合わせに設置されており、冬も夏も小学生から中学生のジャンパーが元気よくジャンプの練習を行う姿が見られる。
写真
碑文
荒井山スキー場跡
宮様スキー大会発祥の地
平成十七年十月建立
荒井山スキー場記念碑建設期成会
会長 達田春吉
荒井山市民スキー場の記録
- 昭和三年(1928)
- 秩父宮殿下,三角山スキー場で北大スキー部の大会をご覧になる
- 昭和四年(1929)
- 高松宮殿下,荒井山でノルウェイ選手演技をご覧になる
- 昭和四年(1929)
- ノルウェイ,ベルセット氏の指導
広田戸七郎氏設計・木造40m級シャンツェを建設 荒井山記念シャンツェと命名- 昭和五年(1930)
- 第一回,宮様キー大会が荒井山会場で開催される
- 昭和六年(1931)
- 第二回,宮様スキー大会以降は各種スキー大会の会場となり,札幌市民スキー場として昭和五十年台まで大変賑う
- 昭和二十七年(1952)
- スキーリフトの設置,道内第一号を大竹氏により設置される
- 昭和三十五年(1960)
- 夜間照明設備完成,三菱電機協賛により寄附される
- 昭和四十七年(1972)
- 土地は札幌市によって買収される
- 平成十二年(2000)
- スキーリフトの休止となる
- 平成十五年(2003)
- 荒井山シャンツェ三度目の大改修
K点55m
K点25m スモールヒル
二本のサマーヒル完成- 荒井山の地名
- 荒井山の土地所有者 荒井保吉氏による
- 宮の森の地名
- 秩父宮,高松宮両殿下の来道を記念して昭和十八年制定