日本で 最初の ガス灯
にっぽんでさいしょのがすとう
根岸線 関内駅の近く,馬車道に面した関内ホールの前に, 2本のガス灯と「日本で最初のガス灯」という碑が設置されている。
安政元年(1854) に 日米和親条約が締結されてから, 横浜には さまざまな西洋の技術・文化が流入した。その一つとして, 明治5年(1872) には 日本で初のガス工場が建設され, 都市ガスの供給が開始され, 横浜の外人居留地内(現在の 神奈川県庁から馬車道付近)に 十数基のガス灯が設置された。
ちなみに この時のガスの使用目的は 主に照明用, つまりガス灯用で, 熱源の燃料用として各家庭に供給されたのは もっと後のことになる。
当時のガス灯は, 柱はイギリスから輸入され 上部の灯具は 日本で作られた。 その明るさは 現在の電球に比べれば 15W程度のものだったと言われるが, 夜の街が真っ暗だった時代のこと, ガス灯の明るさに人々は驚き, 文明開化の象徴を ひと目見ようと 多くの見物人が集まったという。なお 東京(京橋)で最初にガス灯が供されたのは, 横浜のガス灯点火の2年後, 明治7年(1874) のことだった。
余談だが, 馬車道通りには 街灯として約60基のガス灯が設置されている。 これらのガス灯は「ガス灯風」の電灯ではなく, 実際にガスを燃やしている 正真正銘の「ガス灯」だそうである。(東京ガスで確認)
写真
碑文
日本で最初のガス灯
安政6年(1859)に開港場となって以来,横浜は西洋文化の玄関口となりました。馬車道を起点にして全国に拡がったものも数多くあります。
ガス灯は, 明治5年(1872)に, 高島嘉右衛門の「日本ガス社中により, 馬車道・本町通り等に設置, 点灯され,これが日本における最初のガス灯となりました。柱部は英国グラスゴー市から輸入し,灯具は日本人職人により製造されたと言われます。 このたび,横浜市市民文化会館(関内ホール)新築完成を 記念して,当時の型をモデルとしたガス灯を・復元設置しました。 壁面レリーフは,横浜開港資料館所蔵の絵はがきを転写したもので,明治末期の馬車道です。昭和61年9月27日
馬車道商店街協同組合