仙台藩 御用酒 発祥の地
せんだいはんごようしゅはっしょうのち
仙台駅から西に2km。仙台市博物館の前から 裏手に抜ける散策路を進むと, 青葉城本丸に通じる道路に出る。この階段の脇に 大きな黒御影石の石碑が建っている。
仙台藩の初代藩主 伊達政宗は, 将軍家の剣術指南役であった柳生宗矩に振る舞われた酒があまりにも美味だったため, 酒造元の杜氏の一人を仙台に呼び寄せて, 酒を造らせた。青葉城の三の丸裏手の清水門付近に酒蔵を建て, 付近の湧き水を利用して造った酒は「御用酒」と呼ばれて 藩主をはじめ上級武士などに供給されたが, 一方では 他の町酒屋と技術を競い合い 醸造技術の向上が図られたという。
写真
碑文
仙台藩御用酒発祥の地
仙台藩祖伊達政宗公は慶長十三年(1608年)柳生但馬守宗矩の 仲介により大和の榧森の又五郎を仙台に召下し, 榧森の姓と, 切米 十両, 十人扶持を給し, 清水門の南側御太鼓部屋下に自ら地を相し 縦十六間, 横五間の酒蔵を建て, 御城御用御酒屋と称した。酒造用水 にはこの附近の清泉が使われた。
榧森家は初代又五郎より十二代孝蔵に至るまで仙台城御酒御用を 務め, その醸造する酒は夏氷酒, 忍冬酒, 桑酒, 葡萄酒, 印籠酒など 二十余種にも及び仙台領内の種類醸造に多くの影響を与えた。 以来仙台藩に於てはいわゆる町酒屋と御用御酒屋とが競い合い酒類 醸造技術の向上と藩の経済に大いに貢献した。
御酒蔵跡と名水の湧出する地は宮城県産清酒の源流の地である。昭和53年2月26日 宮城県酒造組合創立70周年を記念して之を建立す
宮城県酒造組合
会長 松本善作
副会長 井澤平一
副会長 本間孝一郎
理事代表 佐藤敬二郎撰文 三原良吉