東芝 ブラウン管 発祥の地
とうしばぶらうんかんはっしょうのち
東海道本線 川崎駅の北口前から連絡通路で直結している 大型商業施設「ラゾーナ川崎」の敷地内, 東側に建設中の住宅棟との間にひっそりと 小型の石碑が建っている。 赤茶色の自然石に 緑色のプレートが嵌め込まれている。
数メートル離れて「堀川町工場 創立80周年記念」という石碑も並んでいる。この地は かつて 東芝の川崎工場があった。 一般には 川崎工場というより「堀川町工場」という名前でよく知られていた。
関係者からの情報によると、この発祥碑は,東芝の前身である東京電気株式会社が,大正13年(1924) に この地でおそらく日本で最初となるブラウン管第一号 を完成したことの記録として設置されたものである。
記録によると,この地にあった東京電気の研究所において,大正13年(1924) にブラウン管の最初の試作が完成した。 当時の日本にはこのような技術を持っていた企業は他になかったので,おそらくこれが我が国における ブラウン管の第一号であったと推測される。この「発祥の地」記念碑は,「ブラウン管事業の発展に寄与した功績」により 昭和63年(1988) に社長表彰が行われ,その受賞者が 当時の堀川町工場に寄贈したものである。
碑の背面には寄贈者の名前が刻まれているとのことだが,現状では土中に埋もれているため 見ることができない。
これとは別に, 東芝 小向工場内には「東芝トランジスタ発祥の地」 という碑もある。
ここは, 明治41年(1908) に東芝の前身である「東京電気」の川崎工場が設立され, その後 昭和20年(1945) には「東芝 堀川町工場」と改称, 電球・蛍光ランプ・ブラウン管・半導体などの製品の開発・製造が行われてきた。 東芝の登記上の本社でもあった。
しかし 川崎駅前の一等地の広大な面積を利用して 大型商業施設を作ることになり, 平成12年(2000) に事業を終息し, 平成18年(2006) 年9月に「ラゾーナ川崎」として生まれ変わった。
写真
碑文
東芝ブラウン
管発祥の地堀川町工場 昭和63年7月