日本のビールの発祥地
にっぽんのびーるのはっしょうち
山手の丘にある山手十番館(横浜市中区山手町247)の庭の片隅に、ビヤガーデン生誕100年記念植樹として忽布が植えられ、その前に古ぼけかけの看板が掛かっている。
この十番館の土地は道路からの奥行きは短く、木が生えている裏はすぐに崖ですとんと落ちている立地なので、向こう側からの視線は無い。
安政6年(1859) に横浜港が開港すると、外国人居留地が設けられ、外国人の生活様式が持ち込まれた。ビールもその一つである。明治3年(1870)、横浜居留地の米国人ウィリアム・コープランドは、現在の山手十番館の近隣の山手123番地に「スプリング・バレー・ブルワリー」を開設した。これは、日本で初めて商業的なビール醸造を行った施設であり、近代日本のビール産業の礎を築いた。
コープランドのブルワリーは、山手の丘から湧き出る湧水を利用してビールの醸造を行ったとされている。当時の横浜にはまだ近代的な上下水道が整備されておらず、良質な湧水がビールの品質を左右する重要な要素であった。コープランドは、この地の湧水が醸造に適していることを見出し、ブルワリーの開設に至った。
スプリング・バレー・ブルワリーは、後に日本のビール産業を牽引する麒麟麦酒株式会社の母体となり、現在も「キリンビール横浜工場」としてその歴史を受け継いでいる。キリンビールは、スプリングバレーの名を冠したビールの販売を令和3年(2021)から始めている。
写真
碑文
ホップ(HOP)
- 用途:
- ビールの原料。ビール独特の苦味と香りのもと。
- 特徴:
- 桑科 雌雄異株
多年生の植物で、宿根性を有し毎年成長する
茎は、4メートル程に伸びる。- 生産地:
- 西ドイツ、チェコ、アメリカ
日本では東北地方- 収穫
- 8月
横浜山手の丘は日本のビールの発祥地
ビヤガーデン生誕100年記念樹
昭和62年4月10日
山手十番館
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