雄物川 上流 河川 改修事業 発祥の地
おものがわじょうりゅうかせんかいしゅうじぎょうはっしょうのち
皆瀬川に掛かるトラス橋 県道13号 雄平橋の北詰東側の堤防に、看板が設置されている。
看板の背後には自然石を大胆に3つ屹立させた記念碑が設置されている。
写真
碑文
雄物川上流河川改修事業発祥の地
ここに建立の碑は、昭和十八年に国が雄物川上流改修に着手して、五十年を経たことを記念したものです。
大戦も末期に近づき、敗戦の色濃く国力は疲弊するばかりのその時期に、敢えて直轄事業を展開しようとしたことは、ここから北に広がる平鹿平野が、我が国の食糧基地としていかに重要であったか、そして、ここを水害から守ろうとした先人達の努力を伺い知ることができます。
古い時代、皆瀬川や成瀬川、雄物川さえもこと平野の中を奔放に流れたことが推察され、肥沃な土地を形造ってきた反面、数知れない水害をもたらしてきたことは史実にも明らかです。人々の営みは、辛く長い時間をかけて流路を今に導き、美田を興して糧を求め、文化を育んできました。
この地に始まり延々と横たわる堤防が、何時また襲い来る自然の異変に対して、ことごとく住民の安寧を包む礎であると新ためて感謝し、大切に美しく守り続けたいものであります。国土交通省東北地方整備局湯沢河川国道事務所
「新ためて」は原文まま。新旧看板の画像どちらとも同じ表記になっている。
雄物川上流改修起工之地記念碑
雄物川上流の改修工事は、昭和十八年に着工されたが、おりから戦中戦後の混乱期とあいまって一時中断し、本格的工事は昭和二十一年七月十六日、ここ十文字町植田志摩地区で起工された。
以来、昭和二十二年の記録的大洪水等幾多の困難を経て、十文字・平鹿・沼舘地区の堤防が完成し現在にいたっている。
昭和四十五年七月、この地に雄物川上流改修工事完成協力会・会長 故柴田忠一郎氏により「改修工事起工之地」の木柱が建立された。
ここに、直轄河川改修五十周年と建設省湯沢工事事務所創立五十周年を迎えるにあたり、治水の歴史を永久に伝え、水害の無い安らかな沿川地域の発展を祈念し、建立したものである。平成五年十月七日
雄物川上流改修整備促進期成同盟会長 湯沢市長 高畑 進
社団法人 東北建設協会雄物川上流改修起工之地標柱
裏面 建設省東北地方建設局湯沢工事事務所
右側 昭和二十一年七月十六日起工
左側 昭和四十五年七月 建立
雄物川上流改修工事起工之地=十文字町植田志摩
恐怖と悲劇の大水害を永久に克服せんものと建設省は此の地を起点として着工、今日の如きえんえんたる築堤が進行中であります。速く完成させて沿川住民がすべて枕を高くして眠れるようにしたいものです。先人の願望現代に実現して後人に伝えん
雄物川上流改修工事完成協力会
会長 柴田忠一郎