秋田 第一号 鉄道 飛砂 防止林
あきただいいちごうてつどうひさぼうしりん
羽越本線 桂根駅の構内,駅舎の北西側に「秋田第一号鉄道飛砂防止林」と刻まれた石碑と その横に 説明板が建っている。
この付近は 日本海の海岸線から 200~300m東を羽越本線が平行して走っていて, 線路と海岸線の間にはほとんど砂浜と松林があるだけである。羽越線の 秋田~道川間は,1920(大正9)年に開業したが.当初から日本海からの強い季節風が吹き寄せ, 砂が線路に堆積する被害に悩まされた。最初は飛砂防止のため木製の塀を設置したが,塀の風上に砂丘が出来たり 塀が風で倒壊するなど失敗がくり返された。 このため 風が吹くたびに除砂の作業員を配置したり,時には「砂捨列車」まで運転するなど苦労の連続だった。
大正10年(1921) になって 沿線の用地を買収して 松の植林が行われ,造林から10年ほど後に 松林が育ってからは 飛砂による被害はなくなった。近年 松食い虫によって松が立ち枯れるという問題が全国的に発生したが, 新たに苗木を植えるなど 松林の保全・復元の努力が続けられている。
羽越本線は 新津~秋田間の海岸沿いに敷設されたため,総延長 270kmのうち 94㎞にわたって 飛砂防止林が設けられている。当地の飛砂防止林(下浜2号林)は 大正10年(1921) に植林が開始された 日本で最も古い鉄道飛砂防止林で,昭和37年(1962) に“鉄道記念物”に指定され,翌年にこの記念碑が建てられた。
写真
碑文
鉄道記念物
秋田第一号鉄道飛砂防止林
日本国有鉄道指定 昭和37年10月14日
建植 昭和38年10月14日日本国有鉄道総裁
十河信二 書
鉄道記念物
秋田第一号鉄道飛砂防止林この林は日本海からの飛砂による線路の埋没 を防ぐため大正10年10月黒松で植林されたわが 国鉄最古の飛砂防止林であります。
開業当時飛砂防止施設として板べいを設置し ましたが倒壊するものが多く,列車運転事故が しばしば起きるので,種々研究の結果飛砂防止 林の造成が企画されました。この先人の努力 が実り今日よくその目的を果しております。昭和38年10月建設
日本国有鉄道